お酒とたばこは、税負担の重い商品の代表格です。
お酒には「酒税」という国税が、たばこには「たばこ税」という国税と地方税がかかっています。
酒税の年間の税収は約1.3兆円。
たばこ税の年間の税収は、国税と地方税を合計すると約2兆円。
どちらも主要な財源になっています。
いったいお酒とたばこには、どれくらい税金がかかっているのでしょうか。
酒税
酒税は、酒類に対して課される税金です。
酒類とは、アルコール分1%以上の飲料とされ、薄めてアルコール分1%以上の飲料とすることができるもの、または、溶解してアルコール分1%以上の飲料とすることができる粉末状のものを含むもの、とされています。
現行の酒税法上では酒類は、大分類として発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類、混成酒類の4酒類に分けられています。
お酒の種類によって異なる税率が定められています。
主な酒税の税率は、以下のようになっています。
ビールの税率は、約45%になっています。
ビールはお酒の中でもメジャーな部類ですが、税率は最も高くなっています。
意外に、日本酒の税率が低いです。
ビールのコスパが一番悪いのは、ビール党には残念なニュースかもしれません。
たばこ税
たばこ税は、たばこに課される税金です。
1箱480円の商品の場合、たばこ税が264.88円、消費税が35.55円、合計300.43円の税金が含まれています。
たばこの税率は、約60%になっています。
世界のたばこの値段
日本におけるたばこの税率は約60%です。
60%と聞くと、とてつもなく高い印象を受けますが、先進諸国の中では、これでも税率が低い方です。
世界には、もっとたばこが高い国があります。
下表が、世界のマールボロの価格を比較したものになります。
順位 | 国名 | 値段 |
1 | オーストラリア | 2,296円 |
2 | ニュージーランド | 2,020円 |
3 | ノルウェー | 1,539円 |
4 | アイルランド | 1,492円 |
5 | イギリス | 1,402円 |
6 | アイスランド | 1,400円 |
7 | カナダ | 1,151円 |
8 | イスラエル | 1,088円 |
9 | シンガポール | 1,085円 |
10 | フランス | 949円 |
47 | 日本 | 460円 |
2018年11月現在、日本ではマールボロは510円になっています。
それにしても1箱2,000円はすごいですね。
この表を見ると、日本のたばこの値段は、これからもどんどん上がっていく気がします。
世界のたばこの値段については、下記のサイトを参考にさせていただきました。
参考 タバコ値段世界ランキング2018年10月増税値上げ後も日本のマルボロは安い?【一覧表】news from nowhereお酒とたばこは二重課税?
お酒とたばこには、他の商品と同じように消費税がかかります。
しかも、お酒とたばこは、税金部分にも消費税がかかる、いわゆる二重課税の形になっているように見受けられます。
例えば、お酒では、酒税を上乗せした価格全体に対して、消費税がかかります。
(お酒自体の価格+酒税)×(1+消費税率)=販売価格
ただし、国税庁の見解では、二重課税にはなっていないという判断になっています。
- たばこ税や酒税は、メーカーが負担する税金
- 消費税は、消費者が負担する税金
同一の人が負担しているわけではないので、二重課税にはなっていないという理屈です。
酒税の部分は、商品の販売価格の一部を構成するものに過ぎないという考え方です。
よくこんな考え方が思いつくなと思います。
このロジックを考えた人は天才ですね。
参考:国税庁HP「たばこ税、酒税などの個別消費税の取扱い」
まとめ
お酒やたばこは、生活必需品とは異なる特殊な嗜好品として、税率が高くなっています。
酒税やたばこ税は、商品価格に含まれているため、どれくらい税金がかかっているのかはぱっと見では分かりません。
税負担の重い商品だとは思っていましたが、改めて税率を調べてみると、想像していた以上に税率が高かったです。
私はたばこを吸いませんが、愛煙家の方は大変だなと思います。
今後も、お酒とたばこは税率が高くなっていくことが予想されます。
いったいどこまで税率は上がるんですかね。