将棋めしを語る上で外せないのが、ふじもとの「うな重」です。
ひふみんこと加藤一二三九段が40年にもわたり愛し続けた幻のうな重です。
将棋界では、うなぎと言えばふじもとです。ふじもとのうなぎを知らない者は、将棋界のもぐりと言われるほどです。
今回は、加藤九段の勝負めしであるふじもとの「うな重」を紹介していきます。
うな重ひとすじ40年
「将棋界のレジェンド」ひふみんこと加藤一二三九段。
現役生活約63年間で積み上げてきた勝ち星は、通算1324勝。歴代3位の大記録です。
神武以来の天才と称され、数々の伝説を残してきました。ぜひ加藤一二三伝説でググってみてください。
なかでも強烈なエビソードとして語り継がれているのが「勝負めし」の存在です。
加藤九段は対局の際、40年にわたって同じメニューを頼み続けていました。
それが、東京・千駄ヶ谷にあるふじもとの「うな重」です。
いくらうなぎが好きといっても、40年間同じメニューを頼み続けるのは、常軌を逸していますね。
しかも昼も夜もうな重を食べるという徹底ぶり。ちなみに昼はうな重の「竹」、夜は「松」と使い分けていたとのことです。
もちろん、公式戦最後の対局となった高野四段戦でも、昼食はうな重でした。
何が加藤九段をここまでうなぎジャンキーにさせるのでしょうか。
考えだしたら夜も眠れません。というわけで、実際にふじもとに行ってみました。
勝負めし「うな重」の実態に迫る
さあ、やって参りました「ふじもと」。
最寄り駅は、東京メトロ副都心線の北参道駅になります。JR千駄ヶ谷駅からも歩いていけます。
店の佇まいが渋いです。歴史を感じます。THE昭和です。
店の前に来ただけで、うなぎの美味しそうなにおいが漂ってきます。店の前を通りかかったら、うなぎのにおいで店内に吸い込まれますね。
早速お店の中に入ってみます。
メニューはこんな感じです。
看板メニューはもちろん「うな重」です。
うな重・松が4,600円、竹が3,600円、梅が3,100円となっています。
「松」はうなぎが3枚、「竹」だとうなぎが2枚になります。
なかなか良いお値段がしますね。完全に高級料理です。
私は世界で一番おいしい食べ物はうな重だと思っているので、昨今のうなぎの高騰ぶりは本当につらいものがあります。一刻も早くうなぎの完全養殖を実現してほしいです。
ランチだとうな丼が2,300円で食べられます。一般的なランチ相場の2倍以上しますが、できたてのうなぎが2,300円なのは良心的な価格設定です。
ランチの安さにつられそうになりますが、ここまで来たら妥協は許されません。
「うな重・松」一択です。
加藤九段の勝負めしを存分に堪能しようではありませんか。
いよいよお待ちかねの「うな重・松」の登場です。
うなぎが躍動しています。まったく隙がありません。
うなぎの存在感が半端ないですね。これでもかというくらいぎっしり詰まっています。
うなぎの香りだけで、ご飯3杯はいけそうです。
うなぎは柔らかくて口の中で溶けます。できたてのうなぎのうまいこと、うまいこと。
もううますぎて、うまい以外の言葉がでてきません。
うなぎのたれも絶品です。うなぎのたれだけでご飯5杯はお替りできそうです。
至福とはこのことを言うのでしょう。
昼間からこんな贅沢をしてしまっていいのでしょうか。
「うな重・松」と赤だしで合計4,800円。
頻繁に食べるには、ちょっとお財布に厳しいですが、また来たいです。
「ふじもと」情報
アクセス:東京メトロ副都心線「北参道駅」より徒歩5分、JR中央・総武線各駅停車「千駄ケ谷駅」より徒歩8分
店内のお座敷には、なんと将棋盤がおいてありました。さすがプロ棋士御用達のお店です。
ふじもとは、将棋会館から徒歩数分の場所にあります。加藤九段の他にも、ふじもとのうなぎを注文するプロ棋士は多いです。
プロ棋士に愛されるふじもとのうなぎ。ぜひ一度召し上がってみてください。