先日、東京大学の学園祭である「駒場祭」に遊びに行ってきました。
そこで、一際怪しげなオーラを放つ「東京大学多浪交流会」というブースを発見しました。
東京大学多浪交流会とは、2浪以上を経て東大に入学された方々が結成された団体とのことです。
東京大学多浪交流会のブースでは『東大多浪 不合格の裏側①』なる不合格体験記が販売されていました。
世にも珍しい、多浪の方々の体験談だけを集めた本です。
日本最高峰の東大でも、2浪以上で入学する学生の割合は5%未満とのことです。
「東大多浪」というハートフルな四字熟語。
面白くないはずがありません。
即座に購入を決めたのでした。
『東大多浪 不合格の裏側①』
不合格の惨状が描かれているので、面白いと言うのは不謹慎かもしれませんが、最近読んだ本の中で断トツに面白かったです。
この本は市販されていないと思いますので、興味のある方は、来年駒場祭に足を運ぶか東京大学多浪交流会に問い合わせて入手していただければと思います。
多浪と言うと一般的にはネガティブなイメージがあるかもしれませんが、私個人としては多浪と聞いてもマイナスの印象は特にありません。
私は、現役で大学に入学しているので、浪人をしたことはありません。
しかし、その後の人生は結構迷走していまして、紆余曲折を経て現在は税理士という仕事をしています。
仕事を辞めて大学院に入学したこともあるので、どちらかというと私は多浪側の人間です。
多浪と聞くと親近感のようなものを感じてしまいます。
この本では、16人のエピソードが綴られています。
自虐ネタを挟みつつ面白おかしく受験時代のことが描かれています。
ノンフィクション小説のような感じです。
さすが東大生だけあって文章が上手いです。
時間を忘れて一気読みしてしまいました。
皆さんに共通しますが、何度浪人したとしても必ず東大に合格してやるという執念がすごいです。
メンタルが強すぎます。
普通の人なら心が折れて、勉強を続けることができなくなります。
純粋に目標に向かって努力していく姿はかっこいいなと思いました。
多浪するのは不器用な生き方かもしれませんが、非常に人間味あふれる方々で、魅力的だなと思いました。
多浪をネタにできるのは、最終的に結果を出したことが大きいでしょう。
目標に向かって懸命に努力し結果を出した実績は、自信になっていることと思います。
勉強をやり切ったと言える経験があるのはうらやましくもあります。
私の高校時代を振り返ってみると、真面目に勉強に取り組んだ期間があまりにも短かったです。
高3の夏ごろから受験勉強を始めましたが、完全燃焼したという実感はありません。
お世辞にも優秀な受験生だったとは言えません。
模試ではどこの大学を書いても常にE判定でした。
最終的に関西学院大学にぎりぎり滑り込むことができましたが、合格できたのは相当運が良かったと思っています。
今考えると、高校時代の勉強の仕方は不効率極まりなかったです。
模試は解きっぱなしでろくに復習をしない、背伸びして難しい問題集をやりたがるなど、ひどい勉強方法です。
もう一度高校生に戻れるなら、もう少しマシな勉強のやり方ができると思います。
その後の、大学編入や資格試験受験の際に、高校時代の教訓が生かされたので無駄ではなかったのですが。
この本は、非常に前向きになれる内容なので、浪人生の方には一読していただきたいです。
勉強のモチベーションが上がり、心の支えになるはずです。
また、体験談の中で家族の温かいサポートを垣間見ることができ、ほっこりした気分にもなりました。
人間一人で頑張っていても限界があります。
合格するためには、家族のサポートも不可欠だと感じました。
非常に内容が良かったので、是非来年、続編を読んでみたいです。