ゆうちょ銀行で法人口座を開設するメリットとデメリット

ゆうちょ銀行で法人口座を開設するメリットとデメリット

ゆうちょ銀行は、他の銀行とは少し違った特徴のある銀行です。

実際にゆうちょ銀行の法人口座を使用している経営者の立場から、ゆうちょ銀行で法人口座を開設するメリットとデメリットについて書いていきます。

ゆうちょ銀行のメリット

全国に広がるネットワーク網

ゆうちょ銀行の最大の強みは、全国に広がるネットワーク網です。

ゆうちょ銀行のサービスは、ゆうちょ銀行の店舗だけでなく、郵便局でも受けることができます。

2019年3月末現在、全国総店舗数はゆうちょ銀行と郵便局を合わせて23,944店。ATMは全国で29,837台設置されています。(ゆうちょ銀行ディスクロージャー誌2019より)

 

近くに金融機関がないという地域であっても、ゆうちょ銀行(郵便局)だけはあるということもあるのではないでしょうか。

近年はネット専業銀行もあるので、近くに店舗がなくてもなんとかなるケースが増えていますが、直接窓口に行って手続きできるのは安心感があります。

インターネットバンキングが無料

ゆうちょ銀行では、インターネットバンキングを無料で使うことができます。

法人用のインターネットバンキングは有料のことが多いので、無料で使えるのは大きなメリットです。

ゆうちょ銀行のインターネットバンキングには、3つのパターンがあります。

サービス 契約料金 月額料金
ゆうちょダイレクト 無料 無料
ゆうちょBizダイレクト(スタンダードプラン) 5,400円 540円
ゆうちょBizダイレクト(エキスパートプラン) 10,800円 1,080円

 

ゆうちょダイレクトとゆうちょBizダイレクトの違いは、使えるサービスの内容です。

ゆうちょBizダイレクトになると、総合振込や給与振込のサービスを利用できるようになります。

複数の管理者で使用するといった使い方もできます。

 

メイン口座として使っていくとなると、ゆうちょBizダイレクトの方が向いていますが、サブ口座として使うのであれば無料のゆうちょダイレクトで十分です。

ゆうちょダイレクトであれば無料で使えるので経済的です。

 

なお、ゆうちょBizダイレクトも、2022年3月31日までは無料で使えます。

ゆうちょBizダイレクトスタートキャンペーンが実施されています。

試しに、ゆうちょBizダイレクトを使ってみるのもいいかもしれません。

社会保険料の口座振替に対応

平成31年4月から、ゆうちょ銀行においても社会保険料の口座振替ができるようになりました。

口座振替に対応したことで、ゆうちょ銀行の使い勝手は飛躍的に向上しました。

実は、それまでは、ゆうちょ銀行では社会保険料の口座振替ができませんでした。

口座振替できないと納付書を使って払ったりしないといけません。

社会保険料の支払いは毎月出てくるので、その都度支払いの手続きをするのは結構面倒です。

口座振替であれば支払いの手続きはいりませんし、通帳に印字されるので管理も楽です。

ゆうちょ銀行間の振込手数料が無料

ゆうちょ銀行の振込手数料は、意外と安く設定されています。

振込手数料 比較

注目ポイントは、ゆうちょ銀行間の振込だと手数料が無料になるところです。

ゆうちょダイレクトを利用する場合、ゆうちょ銀行間の振込は月5回まで無料になります。(6回目以降は113円になります。)

 

上手く使うと、振込手数料を削減することができます。

私の場合は、ゆうちょ銀行の法人口座から、個人のゆうちょ銀行の口座に役員報酬を支払っています。

そうすることで、振込手数料を無料にできています。

ゆうちょ銀行のデメリット

限度額がある

ゆうちょ銀行には、他の銀行にはない大きなデメリットがあります。

貯金の上限額が設定されていることです。

ゆうちょ銀行で利用できるのは、通常貯金と定期性貯金でそれぞれ1,300万円、合計で2,600万円までとなっています。

通常貯金は、他の銀行の普通預金に相当します。

つまり、事業用として日々の取引に使えるのは、1,300万円までとなります。

上限が1,300万円というのは、メイン口座として使っていくには少々厳しい金額です。

従業員を複数抱えるくらいの規模になってきたら、1,300万円の枠なんて簡単に超えてしまいます。

ゆうちょ銀行を使っていく場合は、上限があることを常に意識しておかないといけません。

現実的には、他の銀行と併用していく使い方になります。

銀行融資を受けられない

ゆうちょ銀行は法人融資を行っていないので、法人口座を開設してもゆうちょ銀行から融資を受けることはできません。

ゆうちょ銀行は法律によって、取り扱える業務に制限がかかっています。

将来的に法律が改正される可能性はありますが、当面融資業務はできないでしょう。

資金調達を考えている場合は注意が必要です。

資金調達したいのであれば、資金調達予定の銀行で口座を開設しておいた方が良いです。

地元の地銀や信金と取引をしておくと、何かと便利です。

口座番号がわかりにくい

ゆうちょ銀行の口座番号は、5桁の「記号」と8桁の「番号」になっています。

このままでは、他の銀行から振り込むときには使えません。

他の銀行からゆうちょ銀行へ振り込むときは、3桁の「店番号」と7桁の「口座番号」に変換する必要があります。

慣れてしまえばどうってことはないのですが、普段ゆうちょ銀行を使っていない人だと、最初は面食らうと思います。

 

請求書等に口座番号を記載するときは、気を遣います。

ゆうちょ銀行間の振込だと「記号・番号」、他行からの振込であれば「店番号・口座番号」が必要になります。

相手先の支払い手段がわからなければ、両方の情報を伝えないといけません。

このあたりは、ゆうちょ銀行の不便なところです。

ゆうちょ銀行は他の銀行との併用がおすすめ

ゆうちょ銀行はとても便利な銀行ですが、特殊な銀行でもあるため、他の銀行と併用して使っていくのがおすすめです。

私の場合は、メイン口座にメガバンク、サブ口座にゆうちょ銀行という使い方をしています。

ゆうちょ銀行は、インターネットバンキングが無料なのと、ゆうちょ銀行間の振込手数料が無料になる点が気に入っています。