渋谷と言えば、若者文化の発信地というイメージがあります。
渋谷駅前のスクランブル交差点やセンター街などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
しかし、渋谷区というくくりまで範囲を広げればいろいろな姿の渋谷があります。
代々木公園も渋谷区です。恵比寿や広尾だって渋谷区です。
渋谷区で開業するとしたらどこのエリアを選んだら良いのでしょうか?
同じ渋谷区であっても、エリアによって雰囲気は大きく異なります。
今回は渋谷区を5つのエリアに分けて、それぞれのエリアの特徴について紹介していきます。
渋谷区ってどんなところ?
まずは渋谷区がどういうところなのかざっくり見てみましょう。
渋谷区の主な指標になります。
渋谷区は、千代田区、中央区、港区、新宿区とともに「都心5区」に数えられています。
渋谷区の大きな特徴としては、昼間人口が総人口に比べてかなり多いことです。2倍以上差があります。
渋谷区は、仕事や学校、娯楽のために他の地域から人が集まる場所であることがわかります。
都心の区だけあって地価も高いです。
渋谷区全体のイメージはつかめたでしょうか?
これから渋谷区を5つのエリアに細分化し、エリアごとの特徴について見ていきます。
渋谷エリア
- 渋谷区の中心部。圧倒的知名度を誇る。
- 渋谷エリア中心部(センター街、道玄坂など)は若者向けの商業施設・店舗が密集。
- 渋谷エリア周辺部(奥渋谷、桜ケ丘、東、宮益坂など)は少し年齢層が高め。
渋谷駅はターミナル駅で交通の便が良いため、渋谷区外からの訪問者がかなり多くなっています。
中でも東急東横線の存在感は大きく、渋谷区に来る人の約3割が東急沿線からと言われています。
渋谷は若者の街というイメージが強いですが、中心部と周辺部では年齢層に違いがみられます。
中心部は圧倒的に若者向けの街になっています。いつの時代もティーン世代にとっては、渋谷は憧れの街です。
渋谷エリアはファッションの街です。ブランド店やセレクトショップなどが立ち並び、トレンドの発信源になっています。
一方、中心部から少し離れた周辺部になってくると大人の街という佇まいになってきます。人通りも少なくなり落ち着いた雰囲気になります。
松濤という高級住宅街もあります。
ビジネスの面だと、渋谷はITベンチャーの数が突出しています。日本のシリコンバレーと呼ばれることもあります。
グーグルの日本オフィスも渋谷にあります。
原宿エリア
- オリジナルティの高いオシャレな店舗が連なるエリア。
- 原宿エリアは中高生をはじめとした若者世代に人気。
- 表参道エリアはブランド企業のメッカ。年齢層は20代~。
原宿エリアは、ティーン世代から圧倒的人気を集めているエリアです。
ゴスロリなど人とは違うオシャレを楽しみたいという人達から特に支持を集めています。
個人経営のお店が多く、オリジナリティの高いオシャレなお店が多くなっています。
原宿エリアは明治神宮があるため、外国人観光客に人気のエリアです。特に竹下通りは外国人観光客が非常に多いです。
原宿エリアは、物件数があまり多くありません。特に事務所用の物件は少なく、賃料が高めです。
表参道エリアになると年齢層が上がり、20代以上の人が多くなります。
街の雰囲気や歩いている人の層は、原宿とは随分変わります。洗練された大人の街といった雰囲気です。
ブランド企業が多数集まるエリアになっています。
渋谷区民の中で原宿エリアに住んでいるのは5%程度です。スーパーもほとんどなく、人が住む街といった感じではありません。
代々木エリア
- 文教・スポーツ色の強いエリア(代々木ゼミナール、代々木公園)。
- 代々木駅周辺は専門学校や小規模事務所が多い。
- 新宿駅徒歩圏内は高層ビルが連なるオフィス街。
代々木エリアは、何と言っても代々木公園の存在感です。都心に関わらず緑あふれる憩いの場を提供しています。東京23区内の公園としては、5番目の規模になります。
代々木駅周辺は、専門学校(アニメ、美容など)や小規模の事務所が多くなっています。
代々木エリアは、物件数が比較的豊富で、渋谷エリアや原宿エリアよりも賃料水準が低いためお手頃感があります。新宿や渋谷が近いため、交通の便は非常に良いです。
代々木エリアでも新宿駅徒歩圏内になってくると、高層ビルが連なるオフィス街になります。大企業もたくさんあります。
代々木と言えば、若い学生が多いイメージですが、場所によって特徴が変わってきます。
恵比寿・広尾エリア
- 衣食住のバランスが良い人気エリア。
- 恵比寿エリアはオシャレな大人向けの店舗が多く、女性比率が高め。
- 広尾エリアは外国人駐在員が多数住むインターナショナル地帯。高級住宅街のイメージが強い。
恵比寿エリアは、サッポロビール跡地の再開発で恵比寿ガーデンプレイスができたことで、街のイメージが一新されました。
近年はオシャレな街の代名詞として、住みたい街ランキングで常に上位にランクインしています。特に女性に人気があります。
恵比寿エリアは飲食店の激戦区となっています。メディアに取り上げられる飲食店がゴロゴロあります。
人気エリアの割に物件数が少ないため、賃料水準は高めです。
広尾エリアは、閑静な住宅街といった雰囲気です。恵比寿エリアよりも落ち着いています。
店舗の特徴としては、チェーン店が少なく、こだわりを持った個性的なお店が多くなっています。
大使館が集まっているエリアなので、外国人向けのお店も多いです。
幡ヶ谷・上原エリア
- ローカル色の強い地域密着型エリア
- 京王沿線と小田急沿線で生活圏が分かれる
渋谷区民の約45%が幡ヶ谷・上原エリアに住んでいます。賃料水準は渋谷区内で最も低くなっており、住みやすいエリアです。
幡ヶ谷・上原エリアは地域密着度の高いエリアです。スーパーの数は渋谷区内で最多となっています。商店街も発達しています。
幡ヶ谷・上原エリアは、他のエリアと比べるとローカル色が強く地味な感じがしますが、地域密着型ビジネスをする場合にはオススメのエリアです。
幡ヶ谷・上原エリアには京王線と小田急線が通っていますが、沿線ごとに生活圏が分かれています。
代々木上原駅は、小田急線と東京メトロ千代田線が乗り入れるターミナル駅で、渋谷区内では渋谷駅に次ぐ2番目の乗降者数を誇ります。意外ですが、恵比寿駅よりも乗降者数が多くなっています。
再開発で大きく変わる渋谷
渋谷区は大きな変貌を遂げようとしています。
100年に1度と言われる「大規模な渋谷再開発プロジェクト」がまさに進行中です。
2018年9月に「渋谷ストリーム」が開業。2019年11月には「渋谷スクランブルスクエア」が開業予定となっています。
最終的に再開発は2027年頃まで続く予定です。
現在、渋谷駅は大規模工事中で駅の動線がぐちゃぐちゃになっていますが、東京オリンピックが開催される2020年までにはかなり整備される予定です。
また再開発の目玉となっているのが、渋谷川の再生と遊歩道の整備です。
渋谷川沿いの旧東横線の跡地に「新しい遊歩道」が誕生します。
遊歩道が整備されると、渋谷ストリームから渋谷ブリッジまで一つのルートでつながります。
渋谷から代官山までのルートが新しく生まれることで、かなりの経済効果が期待されます。
これまでは渋谷から代官山まで歩いて移動する人はそれほど多くありませんでしたが、今後は渋谷から代官山まで歩いて移動するのが普通になるかもしれません。
渋谷区の再開発によって、今後人の流れが大きく変わる可能性があります。
変化があるということは、そこにはチャンスがあります。
進化論の歴史をみても、変化に対応できた者が生き残っていきます。
時代の変化をうまく捉えることができれば、これから事業を行う人にも十分チャンスがあります。
渋谷区といってもエリアによって雰囲気は大きく変わってきます。
どこに拠点を構えるかは、事業を行う上で非常に重要なポイントです。
当記事が、渋谷区の特徴を知るための参考になれば幸いです。