独立したいけど不安でできない…。そういう人は多数いらっしゃると思います。
実際に独立した人がどのように感じているのか気になりますよね?
独立したての税理士は何を感じているのか、リアルな声をお届けします。
それでは、顧問先ゼロで独立した税理士が語る「独立時に感じる3つの不安要素」をお楽しみください。
独立時の状況について
まずは、独立時の状況について、簡単にご説明したいと思います。
私は、会計事務所に約4年半勤務した後、税理士として独立しました。
顧問先ゼロで独立したため、売上ゼロからのスタートです。
東京で開業しましたが地縁はありません。コネもありません。
独立時の年齢は33歳です。貯金は当面の生活に困らないくらいは、かろうじてあります。
独立時の状況については「独立を後押ししてくれた3冊の本。顧問先ゼロで税理士事務所開業」でも触れています。
あらためて独立時の状況について振り返ってみましたが、なかなかハードな条件です。
自分でもこの条件でよく独立したなと思います。
さて、このような状況の人間は、どのような不安を抱えているのでしょうか?
独立時に感じる不安要素
不安要素その1「お金」
不安要素その1は、ずばりお金です。
お金はドラクエでいうHPのようなものです。HPがなくなったらゲームオーバーです。お金がなくなったら廃業です。
独立直後は、兵糧攻めされているような感覚になります。日に日に預金残高が減っていくのは恐怖です。お金ってすぐになくなるんですよ。
お金は精神安定剤のようなものです。たくさんあるのに越したことはありません。
お金が少ないと長期的な視点でものごとを考えることができなくなります。目の前の状況がピンチだと、将来のこととか考える余裕はなくなりますからね。
余裕がなくなると、目先の売り上げに飛びつき、利益を度外視してしまうかもしれません。
お金に余裕がないと、どっしり構えられなくなります。
そのため、ある程度お金を貯めてから独立するのがベターだと思います。手許資金がなければ、借入しておく方がいいでしょう。
借りるときは銀行からですね。知人から借りるのはトラブルの元なので止めましょう。
お金があるのとないのとでは、とれる戦略が変わってきます。お金があるだけで選択肢は増えます。
現状は、そこまでお金には切羽詰まっていませんが、本当に貯金が底をつくような状況になったら、精神状態がおかしくなるのではないかという危惧はあります。
お金は人を狂わせますからね。
お金って怖い!
お金について不安に感じる最大の要因は、会社員時代と違って、将来の予測が難しいからです。
人間というものは、先が見えないと不安になります。
独立したら、毎月入ってくる給料なんてないので、仕事がなければ当然収入はゼロです。
顧問契約であれば、ある程度先を見通せますが、それでも3ヶ月後どうなっているかなんて、誰にもわかりません。解約されているかもしれません。
ましてや3年後、5年後なんて、さっぱりわかりません。
先が見えないのは、フリーランスという生き方を選ぶ以上、宿命かもしれませんね。
不安要素その2「仕事を取れるか」
不安要素その2は、仕事を取れるかです。
独立したら自分で仕事を取ってこないといけません。
私は顧問先ゼロで独立したので、売上はありません。この記事を書いている時点では、依然仕事はゼロです。このままではやばいですね。
会社員時代は、自分で営業して仕事を見つけてきた経験はほぼありません。銀行員時代に、新規開拓の飛び込み営業を少ししたことがあるくらいです。
会社の看板を背負ってする営業と、個人の名前で営業をするのとでは、根本的に違います。信用力が圧倒的に違います。
本当の意味での仕事を取ってくるスキルは、独立後でないと身につかないのかもしれません。
痛みを伴うかもしれませんが、少しでも早く独立し、試行錯誤していくことが成功への近道だと思います。早く独立すればするほど、ミスをできる時間が残されています。
独立したての税理士の知名度なんてゼロです。存在していることすら知られていません。
そのため「税理士として独立後の最初の仕事」は、自分の存在を知ってもらうことです。
ホームページを作成して、情報を発信していくことです。
何が正解なのかわからない以上、試行錯誤していくしかないと考えています。
私はできることなら、ブログ経由で仕事を獲得していきたいと考えています。
ブログを通して人となりを知ってもらった上で仕事をした方が、良い関係を築けるのではないかと思っているからです。
ですが、ブログを始めたのは独立してからなので、ブログでの成功体験があるわけではありません。
果たして思い通りにブログで仕事を取れるようになるのか…。完全に未知数ですね。
新しいことに挑戦するというのは、それだけで不安に感じるものです。
不安要素その3「スキル」
不安要素その3は、スキルです。
自分で仕事をさばいていけるかです。
仕事をしていたら、今までやったことがない仕事も出てきます。
一人で仕事をしていたら、教えてくれる人も助けてくれる人もいません。
全ての責任は、自分にあります。
責任を負うだけでも大変なことなのに、ましてや知らないことまで出てきたら…。
不安に感じるのも当然ですね。
でもスキルに関する不安は、働いている人すべてに共通する悩みです。
会社員として働いていても、不安なんていくらでもあります。
誰だって大変な仕事を任されて、ヒーヒー言いながら仕事をした経験があることでしょう。
働いていく以上、不安とは向き合っていかないといけません。
完璧に仕事をこなせるようになってから独立しようと思っていたら、いつまでたっても独立なんてできません。
完璧になるのはいつですか?10年後ですか、100年後ですか?
独立するためには割り切りが必要です。勢いです。
わからないことや知らないことは山ほど出てくるでしょう。そういうものです。どうしようもありません。
逆にスキルに不安がないというのもヤバいと思います。
今持っている知識がいつまで通用するかなんてわかりません。変化の激しい現代社会においては、知識なんてすぐに陳腐化します。
新しい商品やサービスはどんどん出てきますし、法律や取扱いが変わるかもしれません。
どのみち変化に対応できるように、今ある知識をアップデートしていかないといけません。
勢いで独立して、走りながらスキルアップしていくしかないと考えています。
人間は、少し追い込まれるくらいの方が、成長しますしね。
不安があるのは伸びしろがある証拠
独立直後のリアルな声はいかがだったでしょうか?
不安はいっぱいで問題は山積みです。
しかし、不安がなくなったら成長はそこで止まってしまいます。
不安があるということは、まだまだ伸びしろがあるということです。
不安だらけの私は、いくらでも成長する余地があります。要は気の持ちようなのです。
今まで上げた不安要素のなかで、どうにもならないものってなんかなさそうじゃないですか?
本当にどうにもならない問題があれば、そもそも独立なんてできていません。
税理士であれば、資格がない場合はどうやっても独立はできません。
人それぞれ不安に感じるポイントは変わってくるかもしれませんが、概ね似たような悩みなのではないかと思います。
不安を消すことができないのなら一層のこと、不安を楽しむくらいの勢いでやっていきたいですね。