税理士の確定申告無料相談会を有効活用する方法

税理士の確定申告無料相談会を有効活用する方法。資料準備が大切

確定申告シーズンになると、税理士が確定申告の無料相談会を実施していることがあります。

私が所属している東京税理士会渋谷支部でも、毎年2月から3月にかけて確定申告の無料相談会を実施しています。

2月23日は「税理士記念日」ということもあり、2月下旬ごろは無料相談会やセミナー等のイベントを開催していることが多いです。

無料相談会は、その名の通り、無料で税理士に相談することができる機会です。

税理士に相談すると通常は相談料が発生するので、無料で相談できるのはかなりお得です。

無料相談会を利用しない手はないです。

今回は、税理士の確定申告無料相談会を有効活用する方法について書いていきます。

確定申告無料相談会を有効活用しよう

確定申告は1年に1回しかないため、毎年確定申告をしている人でも普段経理に触れていないと、去年はどうやって処理をしたのか忘れてしまうものです。

経理が得意な人でも、今年新しくイレギュラーな取引が発生した場合は、どうやって処理したらよいのかわからないということもあるかもしれません。

書類の見方がわからない。数字が合わない。と途方に暮れている人もいることでしょう。

 

税務署に電話で問い合わせて相談することもできますが、電話でうまく説明するのは結構難しいです。実際に対面で相談した方が、悩みを解決できる可能性は高いです。

 

自分で解決するのが難しいときは、税理士の確定申告無料相談会を有効活用しましょう。

確定申告無料相談会は、税理士に無料で相談できるチャンスです。

ぶっちゃけお得ですよ。

 

私は、税理士になってから何度か、相談員の立場として無料相談会に参加させていただいています。

相談員をやっていると、もったいないなと感じることがたまにあります。

どういうときかというと、相談にこられた人が何も準備をしていなかったときです。

資料が何もない状態で相談にこられるケースです。

資料がない状態では、どうしてもざっくりした回答になってしまいます。

教科書に載っているような一般的なケースという前提での回答になってしまいます。

 

資料さえあればもっと深い回答ができるのにと、もどかしさを感じます。

それではどのように相談するのが効果的なのでしょうか?

確定申告無料相談会を有効活用するためのポイントについて書いていきます。

無料相談会に行く前の事前準備

無料相談会を有効活用するためには、事前に少し準備をしておくことが必要です。

思いつきで相談に行っても、相談の効果が低くなってしまいます。

 

税法はかなり細かい法律です。少し状況が違うだけで取り扱いが変わってきてしまいます。

正確に情報を伝えないと、自分の状況とは違うアドバイスになってしまう恐れがあります。

 

そのため、無料相談会に行く際には、必ず確定申告に関係する資料を持参するようにしましょう。

口頭でうまく説明できないという場合であっても、資料があればなんとかなる可能性が高いです。

持っていってほしい資料は次のものです。

無料相談会に持っていくもの

  • 前年の確定申告書
  • 源泉徴収票
  • 支払調書
  • 確定申告に使いそうだけどよくわからない資料

前年の確定申告書

去年確定申告をした人は、前年の確定申告書は必ず持っていきましょう。

税理士はプロなので、前年の確定申告書を見ただけで、相談にきた人の状況がだいたい分かります。

今年分の相談についてスムーズに話を進めることができます。

 

確定申告書は全てのページを持っていきましょう。事業所得や不動産所得がある人は、決算書も必要です。

 

今年はじめて確定申告をする人は、前年の確定申告書は存在しないので、なくても大丈夫です。

源泉徴収票

源泉徴収票があれば、給与や年金の金額がわかります。

所得税は累進課税なので、どれくらいお金をもらっているかによって税率が変わってきます。

所得税には、税金を少なくできる仕組みがいろいろあるのですが、所得水準によって使える制度と使えない制度がでてきます。

たくさんお金をもらっている人だと、使えない制度があるのです。

源泉徴収票があれば、おおよその所得水準がわかるので、どのような制度が使えるのか判断することができます。

支払調書

支払調書は個人で事業をしている場合や臨時収入があった場合に出てくる資料です。

支払調書が関係してくるのは、原稿料や講演料をもらったときです。

原稿料や講演料は、給与ではなく報酬という形になります。給与と報酬は別物なので、源泉徴収票には報酬分の金額は載ってきません。

支払調書があれば、給与や年金以外の所得についても把握することができます。

確定申告に使いそうだけどよくわからない資料

よくわからない資料はとりあえず持っていきましょう。口頭で説明するよりも、現物を見せた方が話は早いです。

普段から確定申告に使うかもしれない得体のしれない資料は、捨てずにとっておいた方がいいですね。

 

ただし、よくわからない資料も、どのような取引なのか、どこがわからないのかという点は事前に整理しておきましょう。

山積みの資料を渡されても、相談を受ける税理士が困ってしまいます。

相談の時間には限りがあるので、スムーズに話が進むように準備をしておくことは大切です。

無料相談会で確定申告書を提出する場合

無料相談会の種類によっては、その場で確定申告書を提出できる場合があります。

確定申告書を提出する場合は、全ての書類がそろっていないといけません。

無料相談会で確定申告書を提出する場合は、以下の資料についても必要になります。

  • 保険料控除証明書
  • 寄附金受領証明書(ふるさと納税等)
  • 医療費の集計表
  • マイナンバー
  • 利用者識別番号・暗証番号
  • 銀行口座

忘れやすいのが、マイナンバー、利用者識別番号・暗証番号、銀行口座です。

利用者識別番号・暗証番号は、前年に電子申告をしている場合は、前年の確定申告書の控えと一緒に保管していることが多いと思います。

確定申告で還付になる場合は、銀行口座の情報も必要になるので注意しましょう。

まとめ

確定申告無料相談会を有意義な時間にできるかは、自分の置かれている状況を税理士に正確に伝えられるかどうかにかかっています。

そのためには、資料を持参することがとても大切です。口頭だけの説明では情報を正確に伝えるのは難しいですからね。

確定申告無料相談会は、税理士に無料で相談できる貴重な機会です。

対面での相談だと、直接資料を確認してもらえるので、電話で相談するよりも断然おすすめです。

確定申告書についてよくわからないという人や、税理士に相談料を払う余裕がないという人は、ぜひ確定申告無料相談会を活用してみましょう。

税理士会のホームページに告知が出ているので、最寄りの税理士会のホームページをチェックしてみてください。