会計の知識が必要になり、途方に暮れている人はいらっしゃいませんか?
仕事をしていると、会計の知識が必要になる場面は結構出てきます。
本屋で会計の本を買ってきて読むのもいいですが、漠然と本を読んでいるだけではなかなか頭に入ってこないものです。
そんなときは資格試験の勉強と絡めて、会計の勉強をするのがおすすめです。
日商簿記検定がおすすめ
会計の勉強には、日商簿記検定がおすすめです。
日商簿記検定は、簿記の資格試験です。会計系の資格試験にはいくつか種類がありますが、日商簿記検定が最もメジャーな資格になります。
日商簿記検定には、1級、2級、3級、初級の4段階あります。初級は飛ばして3級からスタートするのが一般的です。
試験は1年間に3回実施されています(1級は年2回です)。
日商簿記3級の合格率は40%~50%くらい、日商簿記2級の合格率は20%~30%くらいです。2級までは合格点をクリアすれば全員合格となるため、合格率は参考程度になります。
日商簿記1級は競争試験のため、上位10~15%が合格ラインになります。
日商簿記検定に合格すると履歴書に書くことができ、経理や事務職に就職・転職する際に少し有利になります。
目標があると勉強しやすい
資格試験を目標に勉強するのにはメリットがあります。
資格取得という明確な目標があるため、勉強がやりやすくなることです。
通常、勉強をしていても勉強の成果はなかなか目に見えません。
勉強を続けていく上で一番のハードルになるのは、モチベーションです。モチベーションを持続させることが最も難しいです。
モチベーションを持続させる秘訣は、成果を目に見える形にすることです。成果を目に見える形にするという観点からは、資格試験は非常に有用です。
特に資格試験の専門学校などで授業を受けながら勉強していると、勉強のペースを保ちやすいため勉強を継続しやすいです。
社会人が働きながら勉強するのは大変です。仕事で疲れてヘロヘロになった状態で勉強するのは、精神力がいります。
漠然と本を読んで勉強しているだけでは、かなりの確率で挫折します。
勉強を続けていくコツは、強制的に勉強せざるを得ない環境に追い込むことです。資格試験を活用することで、勉強をしないといけない環境を作り出すことができます。
日商簿記3級から始めよう
日商簿記3級は、会計の知識がない人に最もおすすめの資格です。
簿記の入門資格という位置づけです。基本的な簿記の考え方を習得できるので、経理だけでなく営業職・技術職・管理職など幅広い人におすすめできます。
日商簿記3級の勉強時間は50時間から100時間が目安のため、仕事をしながらでも十分合格が狙える資格です。
独学で勉強されている人もたくさんいらっしゃいます。
日商簿記3級は簿記の入門資格なので、勉強すれば誰でも合格できる試験ですが、決して侮ることはできません。
日商簿記3級の知識があるのとないのとでは、天と地ほどの差があります。
日商簿記3級の勉強をすれば、決算書を見てもチンプンカンプンだったのが、何が書いてあるのか分かるようになります。ニュースや新聞で会計用語が出てきても、意味が理解できるようになります。
日商簿記3級には、社会人が知っておくべき情報がぎっしり詰まっています。
日商簿記2級がコスパ最強
日商簿記2級は非常にコスパのよい試験です。商業簿記と工業簿記が試験範囲に含まれており、会計を理解するための基本的なスキルを習得することができます。
簿記の知識は汎用的なスキルのため、時間が経っても陳腐化しません。一度マスターすると一生使うことができます。
また、簿記の知識は応用が効きやすいという特徴があります。仕事をしていてもいろいろな場面で簿記の知識を使うことができます。
上場企業の経理担当など高度な知識を必要とする仕事以外は、日商簿記2級の内容を理解していれば実務上困ることはありません。
日商簿記2級は、合格までに200時間の勉強が必要とされています。社会人が働きながら勉強するのにちょうどよい分量です。
日商簿記2級は、経理の仕事をしている人、会計の基礎的な知識を身につけたい人、将来会計の専門家になりたい人など多くの人におすすめできる資格です。
いきなり日商簿記2級から挑戦することもできますが、自信がない方は3級から挑戦していくのがよいです。
日商簿記2級があれば、転職をするときにも有利になります。
日商簿記2級に合格していると、採用する側からは、簿記の基礎は理解していると判断されます。
日商簿記2級があれば、未経験でも選考対象になる企業も結構あります。
事務職に転職しようと考えている場合は、持っておいて損のない資格です。
さらに上を目指すなら日商簿記1級
日商簿記検定には1級まであります。日商簿記1級になると難易度が急激に上がります。2級までと1級では、別の試験と考えた方がよいです。
日商簿記1級に合格するには、600時間以上の勉強が必要になります。
1級からは勉強内容が高度になり、中小企業では使わない難しい論点が出てきます。
上場企業の経理担当者であれば、日商簿記1級の知識は実務で非常に役に立ちますが、それ以外の人にはオーバースペックになる可能性が高いです。
自己啓発に資格試験を活用するのは有力な勉強方法です。しかし、難易度が高い試験になってくると、自分には必要のない範囲が含まれている場合や、実務では使わないようなマニアックな問題の対策をしないといけない場合があるため、必ずしも効果的とは言えません。日商簿記検定でいえば、1級からこのような傾向が現れてきます。
日商簿記1級を取得すると、税理士試験の受験資格を得られますし、公認会計士試験を目指す上でのベースにもなります。日商簿記1級を目指すのであれば、会計の専門家を目指すという強い意志が必要になります。
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簿記を勉強すると数字に強くなる
日商簿記の勉強をすると、数字で会社のビジネスを理解できるようになります。
会計はビジネスの共通言語です。
業種や企業規模も全く違う会社どうしを比較しようとすると、共通のルールが必要になります。それが会計です。
会計を理解するためには、簿記の知識が不可欠です。
日商簿記検定は、自分のレベルに応じて受験する試験のレベルを選択することができます。徐々にステップアップしていくこともできます。
資格試験と絡めて勉強をすると、モチベーションを持続しやすくなります。
ぜひ会計の勉強に日商簿記検定を活用してみてください。