確定申告をするときは確定申告書を作って税務署に提出しないといけません。
確定申告書には、紙で作るパターンと電子ファイルで作るパターンの2種類があります。
電子ファイルで作成して提出することを「電子申告」といいます。
紙の書類でも手続きできますが、電子申告を利用するのが断然おすすめです。
忙しい社長は電子申告の方が便利です。
今回は、電子申告のメリットについて書いていきます。
電子申告とは?
電子申告とは、インターネットを使って確定申告等の手続きを行えるシステムのことです。
国税に関するものを「e-Tax(イータックス)」、地方税に関するものを「eLTAX(エルタックス)」と言います。
法人税、消費税、所得税などの申告や、申請書や届出書の提出ができます。
現在は、紙の書類で手続きするパターンと電子申告で手続きするパターンの2種類の方法があります。
なお、規模の大きい会社(資本金が1億円超)は、2020年(令和2年)から一部の手続きで電子申告が義務化されます。
国の方針は、徐々に電子申告に移行していこうという流れになっています。将来的には、全ての会社が電子申告に一本化されるかもしれません。
電子申告のメリット
電子申告には次のようなメリットがあります。
- 確定申告書に押印しなくていい
- 税理士とのやり取りの手間が減る
- 税務署に書類を送る手間が減る
- PDFで書類を保存できる
電子申告の一番のメリットは、確定申告書に押印しなくてよくなることです。
申告期限まで時間がないのに急遽出張が入ってしまった。確定申告書にサインする暇がない…。こんな状況になったことはありませんか?
紙で確定申告書を作成すると、代表者は申告書に印鑑を押さないといけません。
図の赤枠のところに印鑑を押す欄がありますよね。
確定申告は期限が決められています。印鑑が押せないと困ったことになってしまいます。
経理担当者の権限では印鑑を押せないことが多いため、確定申告書はできているのに提出ができないという事態になってしまうことも少なくありません。
電子申告にすると、このようなトラブルは回避できます。電子申告であれば社長の印鑑を押す必要がなくなるからです。
電子申告の場合、全て電子ファイルになるのでそもそも印鑑を押すことができません。
印鑑が押せない代わりに、電子申告が完了すると申告書の上部に「電子申告完了済、受付日時、受付番号」の印字がされます。
この印字があると電子申告が完了した証になります。
初めて見ると違和感があるかもしれませんが、これが電子ファイルで作る場合の確定申告書になります。
あと、電子申告が完了すると「メール詳細」というものが届きます。
メール詳細は、税務署の受付印の代わりになるものです。提出先の税務署、受付日、金額などの情報が記載されています。
金融機関での手続きや補助金・助成金申請の際に提出を求められることがあるので、申告書と合わせて保存しておくことになります。
電子申告をするためには、専用のICカードやカードリーダーが必要になるのですが、手続きは顧問税理士がやってくれるので社長の負担は何もありません。
社長の立場であれば、手間が減るメリットを丸々享受できるのでいいことしかありません。
電子申告を導入しない手はないです。
紙で申告書を作成していると、内容を確認するために税理士と直接会う必要が出てきます。
多忙な社長だとわざわざ税理士に会うのは面倒ですよね。
電子ファイルで申告書を作成していれば、メールで添付ファイルを送ってもらえるので、空き時間で内容を確認することができます。
わざわざ税理士に会わなくても内容を確認できます。
内容を確認して問題がなければ、あとは税理士に電子申告を依頼すればいいだけです。
税理士とのやり取りの手間が大幅に減ります。
電子申告であれば書類を税務署に送る必要もありません。支店の数が多い会社であれば事務負担の大幅な軽減が見込めます。
電子ファイルで申告書を作成していれば、PDFで申告書を保存することができます。
PDF形式で保存できると何かと便利です。
コピーしたいときもファイルを印刷するだけです。いちいちホチキスを外してコピーするとか面倒なことは不要です。
紙の申告書だと保管場所も必要ですし、電子ファイルの方が断然使い勝手がいいです。
税務署受付印がなくても大丈夫
紙で申告書を提出すると、税務署が受け付けた段階で税務署受付印が申告書に押されます。
しかし、電子ファイルになると税務署受付印を押すことができません。
税務署受付印がないと不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、「電子申告完了済」の印字があれば何も問題ありません。
電子申告が始まった当初は電子申告があまり知られていなかったので、金融機関に申告書を提出したときに税務署受付印がないといった確認が入ることがありました。
現在は、電子申告がかなり普及したので金融機関の人も電子申告のことはよくわかっています。税務署受付印がないといって文句を言われることはほぼないでしょう。
電子申告にデメリットはない
電子申告をするためには、利用者識別番号という会社ごとのIDを取得する必要があります。
電子申告をはじめてするときはちょっと手間がかかるのですが、面倒な手続きは通常顧問税理士が全てやってくれます。
経営者の方に負担がかかることは何もありません。
正直、電子申告を導入するデメリットは思いつきません。
手間が減りますし、コスト削減にもつながりますからね。
今まで紙で申告書を作成していたという場合は、ぜひ電子申告の導入を検討してみてください。