プロ野球にはシーズンシート(年間予約席)と呼ばれるものがあります。
購入すれば1年間自分の指定席で観戦することができます。
熱狂的なプロ野球ファンの中には、毎回チケットを購入する必要がないため、シーズンシートを購入する人もいるそうです。
私もプロ野球が好きなので、いつかはシーズンシートを購入して、優雅に野球観戦してみたいという思いもあります。
我らが中日ドラゴンズの本拠地である名古屋ドームの場合、バックネット裏で観戦できるプラチナシートは1席771,500円となっています。
一番安い外野レフト側席で1席123,500円です。
天敵である読売ジャイアンツの本拠地東京ドームだと、名古屋ドームの2倍くらいします。なかなかいいお値段がしますね。
このシーズンシートですが、接待等で利用することを目的として、会社で購入するケースもあります。
さて、会社でシーズンシートを購入すると税務上はどのような処理になるのでしょうか?
シーズンシートの税務上の取扱い
どのような目的でシーズンシートを購入するのかによって処理は変わってきますが、基本的には経費にすることができます。
接待に利用する場合
一般的には、接待目的で購入されることが多いと思います。
得意先を接待するためにシーズンシートを購入した場合は、交際費として処理することになります。
現在、中小法人(資本金1億円以下の会社)には、800万円の定額控除限度額が設定されています。
交際費が800万円までであれば、法人税法上経費として認められます。
逆に言えば、大企業であれば交際費は経費にできないため、シーズンシートを購入しても経費にはできません。
交際費については「交際費のポイント。飲食費は1人あたり5,000円以下にしよう!」を参考にしてみてください。
福利厚生に利用する場合
従業員の福利厚生のために購入する場合は、福利厚生費として処理することになります。
ただし、特定の役員や従業員のために購入する場合は、現物給与として課税されることになります。
福利厚生費については「福利厚生費を使って節税を考えよう!」を参考にしてみてください。
広告宣伝費にはならない
シーズンシートの取扱いで注意しないといけないのが、広告宣伝費にはならないということです。
シーズンシートを購入すると会社名を表示できる場合がありますが、広告の効果はほとんどないことから、広告宣伝費に該当するとは考えられていません。
シーズンシートはあくまで席を確保するためのものということになります。
開幕日に一括で経費にできる
シーズンシートは1年間使えますが、どのタイミングで経費にすることができるのでしょうか?
実務上は、シーズンシートの場合、開幕日に一括で経費にすることになります。
シーズンの途中で解約しても解約期間に応じて返金されるものではないことから、開幕戦が行われた日の属する事業年度において経費にすることができると考えられています。
消費税についても同様で、シーズンシートに係る消費税については、開幕日に課税仕入れがあったものとして取り扱われます。
野球を観戦させるという役務提供の対価になるため、課税取引になります。
プロ野球の開幕は3月末のため、3月決算法人の場合、シーズンシートの購入費用は全額当期の経費にすることができます。
利益が出そうな3月決算法人は、シーズンシートで節税できることになります。
プロ野球が4月開幕ではなく、3月末に開幕するようにしているのは、3月決算法人に配慮しているからなのでしょうか。
奥が深いですね。