「独立開業」という言葉を耳にすると、どのようなことを思いますか?
ポジティブなイメージ、ネガティブなイメージと様々だと思います。
今回は、独立開業した私が、友人と話をして感じたことを書いていきたいと思います。
独立開業するのは少数派
2019年のGWはまさかの10連休でした。
10連休はまたとないチャンスなので、私はGWに関西遠征することにしました。
大学時代を関西で過ごしたので、関西は私にとって第二の故郷と言える場所です。
私はかねてから関西に住む友人に会いに行きたいと思っていました。
毎日のように顔を合わせていた仲間も、卒業して10年も経てば会うのは数年ぶりという状況です。
学生の頃の友人とざっくばらんにいろんな話をしたのですが、独立開業するのはかなりの少数派だということを改めて感じました。
親の事業を継いで経営者になるのならまだしも、自分で一から事業を立ち上げるというのは、世間の感覚では異端児と言ってもよいのかもしれません。
近況報告を兼ねて独立開業の話をしたのですが、「独立開業」という言葉を耳にしたときの反応は、だいたいこんな感じです。
思い切ったな。
よく安定した生活を捨てられるな。
生活は大丈夫なの?
仕事はあるの?
親には何て言ったの?
一言でまとめると「お前大丈夫なんか?」ということを聞かれます。
独立したと言うと、とんでもないギャンブルに出たと思われるのかもしれませんね。
ようやく独立したか。
独立したら仕事楽しくなった?
こういうことは、誰からも言われませんでした。
今回会った友人の多くは、大学を卒業して就職して定年まで働く人生を歩んでいくことになる人達です。
安定した生活を送っていきたいという価値観を持っていればいる程、こういう反応になるのは無理もないかもしれません。
独立して先の見えない人生を歩むのは、安定とは対極の生き方ですからね。
自分ではそこまで意識していなかったのですが、どうも周りからはリスキーな人生を歩んでいると思われるようです。
誤解されていると困るので、一応言っておきますが、私はギャンブラーではありません。
賭け将棋なんてやったことありませんし、パチンコや競馬にも興味ありませんよ。
独立して半年経った今の心境
独立して半年経った今の心境をすこし書いてみたいと思います。
独立したことによって収入が激減したのは事実(一時的なことだと信じています)なので、不安がないと言えば嘘になります。
けれど、今に至るまで独立して後悔したことは一度もありません。独立して良かったと思っています。
独立して一番変わったのは、サザエさん症候群にならなくなったことです。サザエさん症候群は、日曜日の夕方くらいから憂鬱になる症状のことですね。
会社員時代は常にサザエさん症候群だったのですが、独立してからはぴたっと症状が治まりました。
独立してからの方が精神状態は良いです。会社員のときは何がそんなにストレスだったんでしょうね……。
独立してからは、いやいや仕事をすることはなくなりました。仕事をやらされているという感覚はありません。収入は少ないですけど前向きに働けています。
やはり私はいやいや仕事をすることは耐えられません。たとえ給料が良かったとしても。
人生において、仕事をしている時間はかなりの割合をしめます。仕事をしている時間をどのように過ごすかで、人生の幸福度は変わってくると思います。
税理士を目指したときから、いずれ独立するつもりだったので、独立するときはそれ程悩みませんでした。
新卒で入った銀行を辞めて資格の勉強を始める決断をしたときの方が、はるかに悩みました。
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独立したというと驚かれることが多いですが、私からすると、長期間の住宅ローンを組んで家を買う方が、よっぽど思い切った行動だと思っています。
独立してから一番大事になるのは、間違いなくメンタルです。
お金でも、仕事のスキルでも、営業力でもありません。
前向きに頑張っていく気持ちを持ち続けることが一番大切です。
メンタルさえ壊れなければ大丈夫なのではないかと感じています。(結果を出していないので、偉そうなことは言えませんが)
お金がなくなったら、バイトなり治験なりすればいいんです。
前向きに頑張っていく気持ちさえあれば、そう簡単にくたばることはありません。
独立したからこそ経営者と向き合うことができる
今回、多くの友人と話をしたことで、経営者は孤独という気持ちが少し分かったような気がしました。
仕事をしていたら、会社員であっても経営者であっても不安な気持ちとは向き合っていかないといけません。しかし、不安に感じるポイントには、かなりの違いがあります。
やはり、経営者の気持ちは、実際に経営者になってみないと分かりません。
日々お金がなくなっていく恐怖なんかは、言葉では理解できたとしても、リアルな感情までは絶対に伝わりません。
独立して一人で事業を行っている税理士だからこそ、一人でがんばっている経営者の声に耳を傾けられるのではないかと感じました。
これは、会計事務所の従業員という立場の人には絶対負けない、私の強みです。