事業をしていると必ず出てくる経費に旅費交通費があります。
旅費交通費は出てくる回数が多い項目なので、会計ソフトの入力で大変な思いをされていることと思います。
実は、旅費交通費は少し工夫するだけで、簡単に会計処理を効率化できます。
具体的にはSuicaやPASMOのような電子マネーを活用します。
電子マネーを使うことで、会計処理の負担は劇的に改善します。
それでは旅費交通費の会計処理を効率化する方法について見ていきましょう。
旅費交通費の会計処理について
旅費交通費は以下のような項目が該当します。
旅費交通費:電車代、バス代、タクシー代、駐車場代、宿泊費など
旅費交通費は、出張のための宿泊費などの「旅費」と、移動に要する電車代などの「交通費」を合わせた勘定科目です。
通勤や営業、取引先への訪問など移動に関する費用を処理するときに使用します。
もしかしたら旅費交通費とは異なる勘定科目で処理している場合があるかもしれません。
会計のルールでは、処理する勘定科目はある程度自由に決められます。
同じ処理を継続的に行っていれば勘定科目が多少違っても問題はありません。
それでは具体的に会計処理を効率化する方法を見ていきましょう。
旅費交通費は電子マネーで決済
会計処理を効率化する第一歩は、現金決済をやめることです。
電車やバスなどは基本的に領収書が発行されません。
そのため、現金で支払ってしまうと、旅費交通費を管理する資料を別途作成する必要が出てきます。
何月何日にどこからどこまでいくら使ったか。というように記録しておかないといけないのです。
はっきり言ってこのような作業は時間の無駄です。もっと他のことに時間を使わないといけません。
作業負担が増えるだけなので、旅費交通費の支払いを現金でするのはやめましょう。
SuicaやPASMOのような電子マネーを使うことをおすすめします。
電子マネーを使うメリットは、あとから何に使ったか内容を確認できることです。
SuicaやPASMOは、利用履歴を取得することができます。
記録が残るので、自分で管理する必要がなくなります。これだけでかなり時間を短縮できます。
旅費交通費専用のカードを準備する
会計処理をさらに効率化させるためには、旅費交通費専用のカードを準備します。
SuicaやPASMOのような電子マネーは、交通費の支払い以外にも使うことができます。
コンビニで買い物するときにも使えますよね。
一つのカードでいろいろな決済ができるので便利なのですが、会計処理の効率化を考える場合は、なんでもかんでも一つのカードで決済するのはよくないです。
あとから会計ソフトに仕訳を入力する際に、項目ごとに分ける必要が出てくるからです。
Suicaで交通費、交際費、消耗品など複数の科目の決済を行うと、仕訳を入力する際に内容を確認して、それぞれの内容にあった勘定科目で処理する必要が出てきます。
会計処理をする際に、「勘定科目を使い分ける」というプロセスが生じます。
会計処理を効率化するコツは、判断するプロセスをできる限り少なくすることです。
もし、一つのカードで旅費交通費の決済しかしていなかったら、決済した全額が旅費交通費という勘定科目で処理できます。
Suicaに5,000円チャージした場合、仕訳一本切ったら処理が完結します。
(旅費交通費)5,000 (現金)5,000
正確にはチャージ時ではなく支払いごとに一つずつ仕訳を切るのがよいのでしょうが、実務上はチャージ金額で1本の仕訳にまとめてしまって問題ありません。
教科書的には、電子マネーへチャージしただけでは本来は経費になりません。
経費にできるのは実際にサービスを受けた段階です。
チャージしたからといって、サービスを受けたわけではありません。お金の価値は減っていませんよね。
そのため、チャージした時点では旅費交通費になりません。
しかし、現実的には電車に乗るたびに一つずつ旅費交通費として処理するのは煩雑すぎてやっていられません。
なので、実務ではチャージ時にまとめて仕訳を切ってしまいます。
ただし注意しないといけないのは、旅費交通費の支払いに限定して電子マネーを使用しているから1つの仕訳にまとめられるということです。
オートチャージを使う
SuicaやPASMOには、オートチャージ機能をつけることができます。
オートチャージとは、電子マネーが一定以下の残高になったときに自動的にチャージしてくれるサービスのことです。
SuicaやPASMOは事前にチャージした金額分しか使えませんが、オートチャージ機能をつけておくと残高を気にせずに使用することができます。
いちいちチャージする手間が省けるので楽です。
会計処理をするときもオートチャージがあると便利です。
オートチャージはクレジットカードと連動しているので、クレジットカード明細を見ればいくらチャージしたのかわかります。
そのため、電子マネーにチャージしたときの領収書を残しておかなくてもよくなります。
オートチャージ機能付きの電子マネーを使い、使用用途を旅費交通費の支払いに限定しておくと、オートチャージで支払われた全額を旅費交通費として処理するだけでよくなります。
旅費交通費の処理を効率化する方法まとめ
- 旅費交通費の支払いは電子マネーを使う
- 旅費交通費専用のSuicaやPASMOを持つ
- オートチャージを有効活用する
特に大切なのは、使用用途を旅費交通費に限定することです。
あとから税務調査で指摘されないためにも、電子マネーを使用するときは自分で決めたルール通りにきちんと運用するようにしましょう。