フリーランスの美容室代って経費にしていいの?税理士が事例で解説

美容室代って経費に入れてもいいんですか?

税理士の仕事をしているとたまに質問をされます。

特に女性だと美容室代は結構な出費になりますよね。

少しでも多く経費を計上したいという気持ちは良くわかります。

今回は、美容室代の経理処理について考えていきたいと思います。

美容室代は経費にできる場合もある

いきなり結論ですが、美容室代は経費にできる場合もあります

「できる」とも「できない」とも言い切っていないところがポイントです。

基本的には経費になりませんが、場合によっては経費にできます。

いわゆるグレーゾーンってやつです。

結論が曖昧過ぎて拍子抜けてしまったかもしれませんね。

白か黒かはっきりできたらいいのですが、会計の世界では白とも黒とも言えない微妙な場合が結構でてきます。

それではどういうふうに判断したらいいのでしょうか?

具体例で確認していきましょう。

フリーランスの美容室代について事例で確認

定期的に美容室に行って身だしなみを整えている(×)

定期的に美容室に行っているというだけでは、経費にするのはかなり難しいです。

美容室は、会社員や学生などフリーランス以外の人たちもたくさん利用しています。

なぜなら身だしなみを整えるというのは、生活していく上で必要なことだからです。

定期的に美容室に行っているというだけでは、生活上の支出の範囲内と考えるのが妥当です。

なので、経費にするのは難しいでしょう。

友人の結婚式に出るために美容室でセットした(×)

友人の結婚式はプライベートのイベントです。

経費にするためには、仕事に関係のある費用であることが大原則です。

プライベートで使った費用は、仕事には関係がないので経費にはできません。

営業や接客の仕事をしており、身だしなみが売上に大きく影響する(△)

営業や接客の仕事は、個人の営業力がものをいう仕事です。

ある意味自分自身が商品でもあります。

自分の身だしなみが売上に直結する場合は、美容室代は業務上の支出と主張できる可能性があります。

場合によっては、経費にすることもできるでしょう。

ホームページ用のプロフィール写真を撮るために美容室に行った(〇)

ホームページは会社の顔ともいえる大切なツールです。

ホームページに掲載する写真の良し悪しは、集客に大きく影響します。

写真写りを良くするために美容室に行ったのは業務上必要な支出と言えます。

ホームページ用のプロフィール写真を撮るのが特別なイベントという点も、経費として主張しやすい点です。

なので美容室代を経費にしても問題ないでしょう。

テレビ出演のための準備として美容室に行った(〇)

テレビに出演している芸能人の場合です。

芸能関係の仕事は、見た目やイメージが極めて重要になります。まさに自分自身が商品です。

見た目やイメージが仕事に大きな影響を与えるので、美容室代は経費として認められやすいでしょう。

売上につながる費用かどうか

経費にできるのはどういう場合か、イメージできるようになったでしょうか?

経費になるかならないかは「売上につながる費用かどうか」という点が判断基準になります。

究極的には、税務調査が入った場合に調査官に対して「業務上必要な支出」と自信を持って主張できるものは経費にできます。

自分で経費と言い張ったとしても、第三者が経費として納得しなければダメです。

特に美容室代のように、経費になるかはケースバイケースというときは、かなり強い根拠がないと経費にするのはリスクがあります。

一般的には、美容室代は経費にするのは難しいと言えるでしょう。

私もフリーランスの一人ですが、美容室代は経費にしていません。