日商簿記検定や税理士試験では、電卓を使って問題を解くことが認められています。
簿記の試験は試験時間が短いことが多く、いかに早く問題を解けるかが合否に大きく影響します。
電卓をうまく使いこなせるようになると、問題を解く時間を短縮できるようになります。
皆さんは電卓のキーは全て使いこなせていますか?
電卓にはメモリー機能が付いていますが、実は使い方がわからないという人もいらっしゃるのではないかと思います。
メモリー機能はとても便利な機能です。使わないままでいるのは非常にもったいないです。
今回は、電卓のメモリー機能の使い方についてご紹介します。
メモリー機能って何?
電卓には「M+」「M-」「MR」「MC」「GT」といったキーが装備されています。
ぱっと見ただけだと何のこっちゃという感じですね。
頭に付いている「M」はMemory(メモリー)のことです。メモリーは記憶という意味です。
電卓のメモリー機能は、数字を一時的に記憶させておきたいときに使います。
メモリー機能一覧
M+ | メモリープラス | 電卓に表示されている数字を、メモリーに加える機能。 |
M- | メモリーマイナス | 電卓に表示されている数字を、メモリーから差し引く機能。 |
MR | メモリーリコール | メモリーの内容を表示させる機能。 |
MC | メモリークリア | メモリーの内容を消去させる機能。 |
GT | グランドトータル | 「=」を押した数字を自動的に合計し、総合計を計算する機能。 |
「M-」は、簿記の試験ではそんなに使わない印象があります。
簿記の試験はどちらかというと足し算をよく使います。そのため「M+」はめちゃくちゃ多用します。
「M+」を制するものが簿記を制する!by管理人
ちなみに私はCASIOの電卓を愛用しています。使いやすくておすすめですよ。
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それでは、メモリー機能の使い方について具体的に見ていきましょう。
メモリー機能の使い方
メモリー機能は、複雑な計算を一発で処理するために使います。
簡単な問題で考えてみましょう。
【問題】
(2 × 3) + (4 × 5) = ?
もしも、メモリー機能を使わずに計算するとしたらどうなるでしょうか?
まずは2 × 3 = 6となり6をメモします。
次に4 × 5 = 20を計算し、最後に6 + 20 = 26として答えが出ます。
途中で数字をメモするという余計な作業が出てきましたね。
メモリー機能を使わないと、途中で出てきた数字はメモしておかないとわからなくなってしまいます。
次にメモリー機能を使うとどうなるか見てみましょう。
【解答】
- [ 2 ] [ × ] [ 3 ] [ M+ ] → 6
- [ 4 ] [ × ] [ 5 ] [ = ] → 20
- [ 20 ] [ + ] [ MR ] [ = ] → 26
※[ MR ]を押すと[ M+ ]で計算した6が呼び出されます。
実際に電卓で試してみてください。
途中でメモしなくても、電卓だけで最後まで計算できましたよね。
このように、メモリー機能を使うと素早く問題を解けるようになります。
GTの使い方
次に「GT」の使い方について見ていきます。
「GT」もメモリー機能と同じように、途中の計算を電卓内に記憶することができます。
「GT」は「=」だけしか使わないので、使い方はとてもシンプルです。
簡単な問題で確認してみましょう。
【問題】
( 2 × 3 ) + ( 4 × 5 ) + ( 6 × 7 ) = ?
【解答】
- [ 2 ] [ × ] [ 3 ] [ = ]
- [ 4 ] [ × ] [ 5 ] [ = ]
- [ 6 ] [ × ] [ 7 ] [ = ]
- [ GT ] →68
GTを使えば「2 × 3」「4 × 5」「6 × 7」と別々に計算したものを、最後にまとめて合計することができます。
途中でメモを取らなくても、電卓だけで計算が完結します。
みんなが大好きなエクセルのSUM関数みたいなものです。
複雑な計算もメモリー機能を使えば楽勝!
複雑な計算だったらどうなるのか見てみましょう。
【問題】
5年間に渡って年間10,000円のキャッシュフローを得られる案件の、割引現在価値はいくらでしょうか?
ただし、割引率は5%とし、小数点以下を四捨五入することとする。
どうでしょう。電卓で一発で計算できますか?
一見複雑そうに見えますが、実は一瞬で計算できます。
【解答】
[ 1.05 ] [ ÷ ] [ ÷ ] [ 10,000 ] [ = ] [ = ] [ = ] [ = ] [ = ] [ GT ] → 43,295紙に図を書いても解けますが、すごく時間がかかります。
こういうテクニックを使って、他の受験生に差をつけていきましょう!
メモリー機能はケアレスミスの予防になる
メモリー機能は使い勝手の良い機能です。シンプルな機能なので応用が利きやすいです。
原価率をメモリーに入れておけば、いつでも原価率を引き出せます。
何回も同じ数字を足したり引いたりするときは、メモリー機能の威力は絶大です。
検算をするときなんかにもメモリー機能は大活躍です。
簿記で計算ミスをするときって、数字の書き間違えでミスをしてしまうことが多いんです。
考え方は合っているのに、計算を間違ってしまうのは非常にもったいないです。
電卓だけで計算できるようになると、書き間違えのようなケアレスミスを減らせるようになります。
メモリー機能は慣れてしまえば、何も難しくありません。
電卓でタッチタイピングできるようになるよりも、はるかに簡単です。
いろいろ使い方を試してみて、早く問題を解けるように工夫してみてください!
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