税理士になってから気づいたのですが、「仮払金・仮受金」という勘定科目はめちゃくちゃ便利です。
困ったときは仮払金。神様、仏様、仮払金様です。
「仮払金・仮受金」を上手く使いこなすと、会計ソフトへの入力スピードは格段に上がります。
今回は、仮払金・仮受金の活用方法について確認していきます。
悩んだときは仮払金・仮受金
仮払金と仮受金はその名の通り、「仮」で処理するときに使う勘定科目です。
仮払金は支払時、仮受金は入金時に使用します。
いくつか使い方がありますが、一番良く使うのは、何の勘定科目で処理すればいいかわからない場合です。とりあえず処理をして先へ進みたい場合に「仮払金・仮受金」を使います。
下手に間違った勘定科目で処理してしまうよりは、「仮払金・仮受金」で処理しておいた方が目立つので、後から確認するときに便利です。
仮払金・仮受金の活用方法
会計ソフトへの入力のコツは、まず始めに預金残高を合わすことです。
銀行預金の残高は、現金残高とは違い金額が明確です。正しい処理をすれば、通帳に記載されている金額と必ず一致します。
銀行預金の残高を最初に合わせてから、他の処理に移るとスムーズに作業を進めることができます。
銀行の入出金明細には、摘要欄があり、取引の相手方や取引内容について簡単にメモされています。だいたいの取引は、摘要欄を確認すれば内容がわかります。
ところが、摘要欄を見てもどういう取引なのか思い出せないことがたまに出てきます。イレギュラーな取引があったようなケースです。
順調に入力作業を行っていても、良くわからない取引が出てくると、なんだっけと手が止まってしまいます。
このようなときに役に立つのが「仮払金・仮受金」です。仮払金・仮受金で処理しておけば、入力作業を継続することができます。
入力スピードを上げるコツは、入力作業と内容の確認作業をわけることです。
少しでも迷う内容が出てきたら、仮払金・仮受金で処理しておいて、入力作業を最後まで終わらせます。
そして、銀行預金の残高が通帳と一致しているのを確認してから、仮払金・仮受金で処理した項目の確認作業に移ります。
入力作業と内容の確認作業を分けた方が、時間の短縮につながります。
銀行預金の残高は、入力が正しく行われているかどうかのバロメーターになるので、最初に合わせておくのがおすすめです。
スピードアップのポイント
- 最初に銀行預金の残高を合わす
- 内容が不明な取引は一旦「仮払金・仮受金」で処理する
- 最後に「仮払金・仮受金」の内容を確認し、適切な科目に振り替える
あくまで仮の勘定なので必ずきれいにする
仮払金・仮受金はあくまで仮の勘定なので、試算表や決算書に載ってくるのはよくありません。
仮払金や仮受金が試算表や決算書にあると、非常に目立ちます。仮払金や仮受金という科目は、一般的に好まれません。税務調査や銀行融資の審査時に必ず目をつけられます。
あらぬ疑いをかけられることにもなりかねないので、百害あって一利なしです。
月次決算や年次決算のタイミングでは、必ず適切な科目に振り替えるようにしましょう。
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まとめ
仮払金・仮受金は、入力作業をスムーズに行うのに役立つ勘定科目です。
期中で使用する分には何も問題ないので、有効活用していきましょう。